親が認知症になってしまったら

認知症とは?

まだまだ元気なご両親も、年老いていつかは「ご老人」になるということをご理解ください。
数年後に介護が必要になってもおかしくない歳、たいていは70代前後ですが、80代を過ぎても介護の必要性をみじんも感じさせない方ももちろんいらっしゃいます。

ですが、たいていの方は介護が必要な状況になってしまいます。

介護が必要になった時、2つのパターンが挙げられます。
まず、足腰が弱く一人では立ち上がることができない、など身体的症状により介護が必要な状況です。

補助器具を使えば、自力で立つことができる場合でも転倒などの危険性を考え、介護施設を利用される方もいます。
2つめのパターンは、認知症など思考能力や言語力などに症状がでたときです。

要介護者で最も多いのは、認知症です。
認知症とは、簡単にいえば「物忘れ」です。

しなければいけないことを、ふとした拍子に忘れてしまった。
そんな経験は誰にでもあると思います。
ですが、認知症には根本的な違いがあります。

物忘れは、ちょっと気を付けたら思い出せますよね。
たとえば、「明日は大切な資料を持っていかなければいけない」ということを、忘れそうだからと手の甲にボールペンでメモしたとしましょう。

資料を持っていくことと、ボールペンで書いたこと、この2つのどちらかを覚えていれば、資料は忘れないわけです。
認知症の場合は、この2つをどちらも忘れる可能性があります。

手にボールペンでメモした記憶さえもなくなり、誰が書いたのか不安になります。

本人がいくら努力しようが、物忘れを防ぐことができないのです。
こういった症状が、認知症です。

これって認知症?

ほとんど、物忘れという症状から認知症が始まります。
認知症は、治療を早めに開始したら、進行を遅らせることは可能です。

そのためには、兆候を見逃さずに早期発見し、早期治療を開始することが重要です。
一緒に住まわれているご家族なら、「認知症になってしまったのではないか」と兆候に気付けるはずです。

早期発見できないケースがあります。
それは、「気のせいだ」「歳だなぁ」と浅はかな考えで済ましてしまうケースです。

物忘れがひどい、判断力や理解力が遅い、時間や場所、金銭についてわかっていない。
不安感が強く、意欲がない、人柄が変わってしまったなどの症状に、しっかり気付いてあげてください。

認知症の疑いがあれば、無理強いせずに医療機関へ連れていきましょう。
ウソをついて連れていくのだけはやめてください。
でも、急に「あなたは認知症です」なんて言われても信じられませんよね。

ご本人は、自分がそういった症状を発症していることさえも気づけていないのです。
周囲はそれを理解しながら上手く説得して病院に連れていくしかありません。

認知症の方に多いのは、「~しっぱなし」です。
水の出しっぱなし、冷蔵庫が開けっ放し、玄関、電気、コンロの火など。

認知症になってしまったら、コンロの火の消し忘れで火事が起こるかもしれません。
トラブルやリスクを回避するには、ご家族が上手く諭して、医療機関へ連れていくことが、大切です。

認知症を知ろう

高齢者を介護する際、家族介護者には大きな負担がかかります。
介護はお金がかかります。

介護保険を適用されても、1割は自己負担です。
介護保険の支払限度額以上のサービスを利用するには、差額を全額負担しなければいけません。

介護のために仕事を休むこともあれば、辞めなければいけない時もあるでしょう。
ある程度自由がきくお金を貯めておきましょう。

認知症とは、そんなものです。
お金がかかること、ご家族への負担がかかること、介護施設の利用を考えること。
認知症になってしまったら、みなさん手順を踏んで、介護について理解をしていっています。

子供一人を育てるのとは違い、一人の人間を介護するのはとても大変です。
認知症は特に、ご本人が不安を感じ、時に人格さえも変えてしまうことがありますから。

認知症になってしまっても、最後まで幸せに暮らせるよう、気持ちに余裕を持ち、しっかりと理解してあげてください。